「歌手ウンム・クルスームのファトマ」(1947/126分)

ウンム・クルスームの主演六作の最終作だそう。CDは昔一枚持っていたが、バックのオーケストラレーションが大仰で、ウンム・クルスームの歌も重苦しく息詰るような印象だった。しかし、アラブ人が出てくる映像とともに流れると、さすがにしっくり来る。それでも、朝を告げ今日も元気いっぱいにすごそうと促す歌があれほど粘っこく濃厚なのもどうかと思う。金持ちの令息に捨てられた貧しい看護婦の役。あっけらかんと前言撤回する相手役の男がどうも信用しがたい印象を残すのだが。なんでも肯定してしまう次兄は単純におかしかった。