2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

千年女優

今敏『千年女優』。レンタルDVDで観た。よくできている。最大の欠陥は二箇所。主人公が愛しの君を追いかけるモチベーションがあまりにも希薄であること。物語を進めていた鍵である「鍵」が結局なんの役割も果たさない、おとりみたいなものだったこと。その他…

パーフェクト・ブルー

今敏『パーフェクト・ブルー』。レンタルDVDで観た。よくできている。おもしろい話だ。無用に混乱させすぎた観はある。アニメである必然性をあまり感じない。実写にしたほうがよっぽど感銘深かっただろう。人物の表情は硬く、動きもときにぎこちない。アイド…

ワイルドバンチ 特別版

サム・ペキンパーの代表作『ワイルド・バンチ』に未公開シーンを加えたDVD。 大昔に一度観たきりだったが、今回観直してみて、記憶にあるほどおもしろくなかったな。ロートルなアウトローたちの悲哀、矜持、男気を感じるべきなのだろうが、いかに意気がって…

おれ にんげんたち

岡本武司『おれ にんげんたち(副題:デルスー・ウザラーはどこに)』(ナカニシヤ出版)。 朝日新聞社を定年まで勤めあげたのち、ハバロフスクの大学で日本語講師を勤めながらロシア語を勉強し、その後ウラジボストクの大学へ留学して、ロシア語を勉強しな…

森と湖のまつり

武田泰淳『森と湖のまつり』という小説の存在は、先般出版された皆藤健『「森と湖のまつり」をめぐって 武田泰淳とビッキらアイヌの人たち』(五月書房)という本を見かけて初めて知った。砂澤ビッキや知里真志保をモデルにした小説だという漠然とした印象だ…

竜を駆る種族

ジャック・ヴァンスの1962年作『竜を駆る種族』。再読だが、内容をすっかり忘れていた。いやあ楽しい。映画になったらさぞかし迫力満点だろうとは思うものの、ロマンスの要素に欠けるし、登場人物も共感を呼ぶようには描かれていないし、ストーリーもサービ…

大畑川の上大畑橋から

大畑川の上大畑橋から上流にむかう土手は今はアスファルトで舗装され、川の側には手すりが張られて、ずいぶんこざっぱりした印象になった。湯坂下側の土手を上流に歩いていけば、かつて高校の中ごろまで住んでいた家が今は取り壊されて更地になっている。さ…