2007-01-01から1年間の記事一覧

DVD『ニーベルングの指輪』(ウーリー・エデル監督/2007年?/ドイツ)

なに『ニーベルングの指輪」の映画化?! とレンタルショップでたまたま見かけて喜び勇んで観てみたがワーグナー作品とは何の関わりもない凡庸な小スケールの中世恋愛愛憎劇。時間の無駄無駄無駄あ!

atユーロスペース『暗殺・リトビネンコ事件』(アンドレイ・ネクラーソフ監督/2007年/ロシア)

2006年11月23日、亡命先の英国で放射性物質ポロニウムを飲まされ毒殺させられた、元FSB(ロシア連邦保安庁)中佐アクレサンドル・《サーシャ》・リトビネンコの、その事件そのものを描いたものではなく、FSBがロシアにおいて犯した犯罪についてかねてからイ…

atシアター・イメージ・フォーラム『いのちの食べかた』(ニコラウス・ゲイハルター監督/2005年/オーストリア・ドイツ)

初回11時のところを10時20分に映画館に着いたら既に50人ほど並んでいて、うわっ人気があるなあ、とひるんだら、ほとんどが若い女子。アレ? と思い開場後、地下に降りていったら客は四・五名のガラガラ。あの人たちは何を見に来てたのか? 「はじらい」? 肝…

『関野吉晴対談集 グレートジャーニー1993〜2007』(東海教育研究所)

グレートジャーニーの期間にわたって繰り広げられた数々の対談をまとめたもの。意外な出版社から発行されて、見つけたのも本当に偶然。おなじみの名前もあれば、島田雅彦、宮沢和史など意外な名前も混じっている。関野吉晴の姿勢にはブレがないので、逆に言…

スティーヴ・エリクソン『アムニジアスコープ』(柴田元幸訳/集英社)

二年も前に購入したものだが、やっと読んだ。読むのが惜しかったというのがある。いつもながらの濃密なエリクソン文体に圧倒される。今回は珍しく笑える要素がたっぷりあり、存分に楽しませてもらった。エリクソンの意外な懐の深さが見えた気がする。エリク…

杉井ギサブロー「あらしのよるに」(2005)

狼と山羊の友情という非常に無理のある設定を透明感のある絵柄できれいに描いた作品。たがいの秘密を聞き出せと命じられたメイとガプが会う場面は緊迫感があり、その後川に飛びこむ場面も希望を感じさせた。だが、残りの場面は明らかに蛇足だ。狼と山羊が仲…

キム・ギドク『悪い男』(2002)

いつもの強烈なキム・ギドク映画(といってもこれを含めて四本しか見てないんだよな)。「女性なら誰もが絶対に考えたくないこと」だが、逆に男ならだれもが想像してしまうこと」ー「欲しいと思った愛を手に入れるために」「好きになった女性を暴力的なやり…

アレクサンドル・ソクーロフ『ドルチェー優しく』(1999)

ソクーロフによる島尾夫妻に関するナレーションに続いて、島尾ミホのモノローグがソクーロフの同時通訳を伴いながら進行する。島尾ミホによるモノローグがいささか生硬な感じがしたのは、あらかじめ書き上げられた台本を読みあげているからだろうと推測。も…

花輪和一『刑務所の前』1〜3(小学館)

いつ出るのか、果たして出るのか、このまま尻切れトンボで終わってしまうんじゃないかと懸念していた『刑務所の前』の続刊にして最終巻(!)第3巻がついに出たので、話の流れを忘れていることもあって通読した。情報量が多く読むのに骨が折れる。話の流れ…

アルフレッド・ベスター『ゴーレム100(100乗)』(国書刊行会)

山形浩生による懇切丁寧な解説にわたしごときが付け加えるべきものはなにもない。ただ、「もう少しおもしろくできたろうに」と残念。舞台は未来の巨大スラムに限定され、物語の展開される時間も短い。キャラクター設定に深みにはなく、感情移入もしにくい。…

若松湯

これまでに利用した銭湯の中で、現在使っている若松湯がなにげに一番好感が持てる。由緒正しいとかたたずまいが独特だとか屋根が瓦葺きとか店主が手品をたしなむとか、そんな目覚ましい特色があるわけではなく、脱衣所は大概の銭湯がそうであるようにいくつ…

ハンガリアン・フォーク・テイルズ

Aプログラム ケレシュテス・ドーラによる冒頭の三作「ムーン・フィルム」「マジック」「イチ、ニ、サン」がすばらしかった。人と生き物、植物、家、大地、空と次々と途切れることなく変容し続けて圧巻。アニメーションならではの作品。アニメーションの一つ…

チェコ・ファンタスティック・アニメーション

D ナンセンスプログラム 風刺が主体のアニメを集めたもの。絵柄も風刺内容も古くささが否めない。ただ目を惹く箇所は多々ある。「名声」で、煙突から吐きだされた煙が自在に変化するさまは純粋に発想の自由さを感じさせる。ポヤルによるパペット・アニメーシ…

アニメ

12/1日曜日映画の日 渋谷ユーロスペース 4プログラムあるチェコ・アニメのC・D2プログラムが上映中なので、当然続けて見るつもりだったが、時間を誤った。

マルジャン・サトラピ『ペルセポリス』??(バジリコ)

Wikipediaに手際よくまとめられていた(ペルシャ語表記削除)。 「マルジャン・サトラピ(Marjane Satrapi1969年11月26日 - )は、イラン北部、ラシュト出身の女性作家、イラストレーター。首都テヘランのカージャール朝の流れを汲む進歩的な上流階級の家庭に…

『食べよ、これは我が体なり』(ミケランジュ・ケイ/ハイチ/2007/105分)

ついでついでで観た映画。内容紹介を読んで気にはなっていた。「ハイチ系のミケランジュ・ケイの衝撃的な長編第一作。登場するのは白人の老婆とその娘、子供たちと黒人召使。幻想的な表現が見る者を圧倒する。トロント映画祭で上映」。ああ、しかし、こんな…

『ヘルプ・ミー・エロス』(リー・カンション/台湾/2007/104分)

何の予備知識もなしについでで観た映画だが冒頭にツァイ・ミンリャンの文字(漢字)が見えたときからいやな予感(この人の映画はちょっと苦手)。ツァイ・ミンリャン人脈の人らしい。破産し大麻を育て命の相談に電話し売店の娘および娘たちとイチャイチャし…

『ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた』(ハナ・マフマルバフ監督/イラン/2007/81分)

マフマルバフ・ファミリーの末っ子ハナによる初の長編映画。今回一番の注目作。タイトルはいうまでもなく父モフセン・マフマルバフの著書『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』に準拠している。まさにそのアフガニスタ…

『脳に烙印を!』(ガイ・マディン監督/カナダ/2006/95分)

ガイ・マディン作品は3年前のFILMeXで『世界で一番悲しい音楽』『ドラキュラ 乙女の日記より』、レンタルビデオで『ギムリ・ホスピタル』を観ただけ。印象はこれまでと変わらない。サイレントのモノクロ・フィルムに擬して遊び心たっぷりに練り上げられた趣…

第8回東京FILMeX

今年のフィルメックスは4本観た。23日金曜日祝日。

高沢皓司『宿命 「よど号」亡命者たちの秘密工作』(新潮文庫)

燃えあがる理想を胸に果敢に明日に飛び立ったはずの革命家たちを見舞ったあまりにもむごたらしい末路を描きだして見事。最近「カルト」団体についての本をいくつか読んだが(『別冊宝島「救い」の正体』、米本和広『カルトの子』『洗脳の学園』とか)、北朝…

幸村誠『ヴィンランド・サガ』1〜4(講談社)

ちょっと気になっていたので購入。しかし、なんでこんなにノレないのだろう。11世紀のヴァイキングを描いて、話は普通に面白い。ただ、この作者の独特のクセが微妙になじめないというか。まず登場する戦士たちの強さが謎だ。戦闘シーンは十分迫力があり、箇…

『ジダン 神が愛した男』(2006/フランス)

2005年4月23日のレアル対ビジャレアルの試合をまるごと収録。普段見ているサッカー映像とはまったく異なるもの。臨場感あふれる映像。息づかい、喘ぎ声、ボールを要求する声が聞こえる。遠目の映像がなければ、しかし、サッカーを見ている感じがしない。ジダ…

黒沢清『ドッペルゲンガー』

しっかりと書かれた脚本で、役者はしっかりと演技して、ドッペルゲンガーという魅力的なモチーフを扱いながら、こんなにつまらないのはなぜなんだろう。いろんな要素を詰めこみすぎて焦点が合っていない。終盤にやや誤解したかも知れない。主人公本人によっ…

アレクサンドル・ソクーロフ『穏やかな生活』(2001)

ソクーロフの作品中でも最も地味な一作かも。奈良県明日香村の、築百三十年の「優しく堅固な」日本家屋に一人住む、旧家の老女を描いたドキュメンタリー、というより映像によるエッセイか。それによって生計を立てているという和裁の作業をするところ、家を…

『ハウルの動く城』(宮崎駿監督/2004/日本)

うーん、なにがいけないのか。声優の出来がひとしなみに良くない。感情がこもってなくて平板。人選ミス? こんなんでいいのか? 火の悪魔カルシファーにしても、案山子にしても、愛されようというキャラクター設定をしすぎて鼻白む。動く城の設定自体はおも…

『ベアーズ・キス』(セルゲイ・ボドロフ監督/2002/カナダ・・・)

見損ねていた映画。事故で亡くなった、監督の息子セルゲイ・ボドロフJrが主演。主人公のローラが自分の所属しているサーカスに終始冷めた視線を送っているのが寂しい。実際、この映画で描かれるサーカスにはさほど魅力は感じられない。斜陽産業と言ってしま…

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(ジョージ・ロメロ/1968/アメリカ)

実は見たことがなかったので見た。なんかへたっぴいだなという印象。いったん死んだ身であるゾンビが火をこわがるだの怪力を発揮するだの人肉を食らうだのありえないし。って言ったら身も蓋もないか。それにしても粗雑だな。

『ナチョ・リブレ』(ジャレッド・ヘス監督/2006/アメリカ)

ルチャ・リブレの世界を描いているということで期待大だったが食い足りない。けれん味がたりない。弱いレスラーということで最後の最後にやっと勝つという設定だが、自覚的にご都合主義を打ち出しているにしてもあまりにも説得力に乏しい。残念。

Perfume

Perfumeが第一特集の「Quick Japan vol.74」を購入。Youtubeとニコニコ動画で動画を何本か見てすっかりファンになった。ファーストアルバムも購入した。●曲がいい→コンピューターシティ、エレクトロ・ワールド、チョコレート・ディスコ、SEVENTH HEAVEN等が…