『キル・ビルvol.1』(クエンティン・タランティーノ監督/2003年/アメリカ)
いやあつまらないつまらない。ギャグならギャグで一向に構わないのだが、それにしてはプロットが時にシビアで、バランスが著しく崩れている。見せる技術は普通にある。アクションシーンも退屈はしない。おもしろいシーンの連続だ。しかし、驚きが一切ない。かつて見たものを小手先で繰り返しているだけ。「おもしろいでしょ?」「おもしろいでしょ?」としつこく繰り返されても食傷するだけだ。
『SAW』(ジェームズ・ワン監督/2004年/アメリカ)
序盤は謎解きゲームのような展開で期待させたが、登場人物が次々と増え、舞台があっちへこっちへ飛んでいくあたりからドタバタした印象に。最終的につまらないのは、犯人にこれだけのことをする動機が希薄だからだろう。続編があるらしいが、たぶん見ない。
『ダークスター』(ジョー・カーペンター監督/1974年/アメリカ)
SFXにしろ、宇宙船内部の生活にしろ、非常に貧乏ったらしい映画で、大いに笑わせてくれる。エレベーターからの脱出シーンがいやに盛りあがるとか、登場する異星人があまりにもチープだとか、いろんな意味でバランスが崩れた作品だが、サービス過剰気味の昨今の娯楽映画に比べるとむしろ好印象。想像力の入りこめる余地のある作品のほうがやっぱり楽しい。ディズニーの『ブラックホール』とか、ロシアの『放浪物語〜テイル・オブ・ワンダー』「不思議惑星キン・ザ・ザ」とか。
『キス・オブ・ドラゴン』(クリス・ナオン監督/2001年/フランス・アメリカ)
派手な銃撃、暴力シーン、ジェット・リーのジャッキー・チェンばりのカンフー・アクションがあるにもかかわらず、主人公の寡黙さ、内容の暗さがあって妙に地味な印象。ヤク漬けにされたアメリカ人娼婦と、人質にされていた娘の再会によって、めでたしめでたしで全編は完結するが、この母子に明るい将来は示されていないし、主人公の中国人警官とのロマンスがほのめかされているわけでもない。どういう意図の下に製作された映画なのか? 主人公が負けてしまっては成立しない構造なので、いかにアクションが激しくてもスリリングさは皆無。そもそもジェット・リー/リー・リンチェイは負けたことがあったろうか? いつでも正義の側にいて、優等生すぎてつまらない。一度徹底的に負けてもらいたい気がする。
でぃーぶいでぃー
今月レンタルして見たDVD。ハズレばっかり。『ダークスター』が唯一の収穫。