2007-01-01から1年間の記事一覧
書籍で紹介されている変な生き物の実物を見せてくれる、ありがたいDVDだと思ったが、筆者の早川いくををまじえて、コメディ仕立てに作ったもの。ちょっとふざけすぎ? 実物を見せるだけでも十二分におもしろいだろうに。
・道路の端に固まっていた羽四羽のスズメ。近づくと一斉に飛び立って、それぞれ異なる軌跡を描いて別方向に消えていった。小さな体で激しい羽ばたき。滑らかで自由な軌跡。 ・道路をいきなり横切っていったカフェオレ色の仔猫。尻尾が妙に太くてまるでキツネ…
なんなんだこいつはすげえなおい七十年代在韓米軍を巡って繰り広げられる若者たちの物語で登場人物がことごとく破滅する。どぎつく極端で美しくおぞましく一瞬たりと目を離せない。
ユーロスペースで見逃したやつ。70年代アメリカで深夜上映し大ヒットをおさめた、いわゆるカルト映画の監督及び関係者に対するインタビュー。ホドロフスキーは男前だなあ。みんな快活でヴァイタリティーがあふれている。リンチだけは憂鬱そうだが。ジョージ…
ペ・ドゥナが出演しているので観てみた。高校生の等身大の日常を積み重ねて淡々とストーリーが進む。テレビドラマ的な作りでないのがいいが、やや食い足りないか。ペ・ドゥナは存在感があって、ペ・ドゥナ抜きにはこの映画は成立しないと思った。
公開時に映画館で観たが再び鑑賞。印象は昔と変わっていない。キンスキーは間違いなく強烈。理不尽でわがままで気取り屋で神経質で小心者。友人にはなりたくないタイプ。一方のヘルツォークは静かに狂っているというか。一時期キンスキーを殺そうと思ったと…
ニコニコ動画で木村元彦が国分太一らの司会で旧ユーゴスラビアとオシムのことを語るテレビ番組の録画を見たが、話の内容自体は木村氏の本で触れられている十分に詳しく語られていて目新しい話が聞けたわけではなかったが、最後に木村氏が最近追っているイラ…
帰省 えきねっとで予約したはずが、みどりの窓口に行ったら帰りの切符しか予約されていないというので、改めて行きの切符を予約したが、すでに指定席は相当埋まっており、結局東京駅を1656 に出発する便しかとれなかった。下北に着くのは大湊線で最終になる2…
まさかのSFファンタジー。まだ全体像が見えてこないが、念入りに考え抜かれた世界観、複雑な人間関係、権謀術数。おもしろい。続きが楽しみ。
それにしてもこの画力は圧倒的だな。光、陰、温度、湿度、空気・・・感覚の感じるあらゆるものをまるごと捕らえようとするかのような描線。その場に一気に連れていってくれる。ものの見方を変えさせるほどの力がある。身近にある景色をより魅力的にリアルに…
カボチャって猫の名前だったんだな。『リトル・フォレスト』では女性を主人公として、自身の実体験を反映させた著者の実際の生活の一端が垣間見れて興味深かった。
ドイツ、オランダの自転車優先の町づくりはたしかにスバラシイ!
四人のキャラクターを当分に描いているわけではないので、小説としては公平ではないな。著者は明らかに小人ホーの立場に立ち、必要な結論に導こうとしている。簡潔で力強く、素直に心に訴えかけてくるので、それは成功しているのだが。小人ヘムの優柔不断、…
先の『荒野の宗教 緑の宗教』に対する一つの回答、決意表明とも言えるべきものか。「恵まれています」「裕福です」と挑発的な言辞が並ぶ終盤は先進国の読者を責めているかのような観がある。しかし、そこで後ろめたさを感じたところで、出てくるメッセージが…
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の唯一神教三教と、インドのヒンドゥー教、仏教を比較したもの。筆者は「緑の神学」である肯定神学、日本に根付いたような神仏習合の思想に希望を見出している。厳格で他者排他的な一神教の内部から、今のところ希望の光は…
ジョウント効果に基づいた世界を見事に作りあげているとは言えるが、ジョウント効果をメインテーマとした作品ではないのが不満か。ストーリーが性急すぎ、場面場面が十分に咀嚼し切れていない観がある。主人公ガリー・フォイルの復讐心、執着、怒りもうまく…
文章の密度、迫力、リズム感はすばらしいな。スピーディーな展開で最後まで飽きさせない。希代の悪役であるはずのベン・ライクが直接自分で手を汚すのが、やや違和感。派手な重火器がドンパチする最近のSFアクション映画を見慣れた目には、アクションシーン…
まさかまさかの思ってもみなかった邦訳『ゴーレム100(乗)』を読む前に、アルフレッド・ベスターをおさらいすることにした。
なんと、いつ出るか出るかと待ちわびて、ひょっとして連載は中断しているのかと思っていた『ヒストリエ』の新刊を書店で発見。相変わらずおもしろい。リアリティがある、と言っても、古代ギリシャの実際に即しているかどうかはわからない。自らを文明人と思…
著者のHPで出版が告知されていたので購入。著者のいつものキーワードが横溢しているが、新味は著者のドイツ留学時代の経験が詳細に語られていることだ。その時に自らの日本人性に気づかされたことから、「日本人はなぜシュートを打たないのか?」という設問…
学級崩壊を積極的に評価しようという、おもしろい試み。現状の「学級」を解体しないことにはこれからの教育は見えてこないということ。もっともな議論。この本の出版は1999年だが、今の教育はどうなってるんだろう?
同じ文庫の『自分は死なないと思っているヒトへ』を先に読んで、そのつながりで読んだ。いつもながらタメになるなあ。文章も平易だし。「なるほど」とすんなり納得するよりも、これまで思いこんでいたことがあっさりひっくり返されてギョッとすることが多い…
実に久しぶりに読んだデューン・シリーズ。今回はこのシリーズの名物の一人であるベネ・ゲセリットが主役。ダンカン・アイダホのイキのいいゴーラも、砂漠に戻ったかつてのアラキスに現われた、砂虫を操る少女シーアナも、ここでは脇役でしかない。もう一つ…
DVD。間延びしている。いい話にしようとしすぎている。終盤に出てくる(予告編で耳に馴染んだが、映画ではこの部分しか出てこない)「ちょっといい感じ」を狙った歌にしても。この映画の元になった「実話」では長男が妹を殺しているが、この長男と関わった人…
山形浩生の『新教養主義宣言』文庫版を読んでいたらこの作品のことをえらく褒めている文章にぶつかり、そう言えば最後までキッチリ読んでいなかったような気がして中古の文庫本を購入して通読したのだが、冒頭の刀自古のかわいらしい走り、池から這い上がっ…
リアルタイムで毎週ハラハラしながら待ちきれない思いで見て以来、いったい何年ぶりに観ただろう? DVD全7巻全26話。これを越えるアニメーションは決して現われないだろうが、もちろんちっとも残念とは思わない。「未来少年コナン」があるのに、ほかに何を望…
黒田硫黄の表紙に惹かれて本屋で手に取ってみたが、この著者、なんと『幻の怪獣ムベンベを追え』を執筆した張本人だと言うではないか。しかも、集英社文庫には既に本書も含めて六冊も収録されているではないか。通勤電車で降車するのも忘れるくらい夢中にな…
「わらべうた」の一種としての「マザーグース」を少しでも知ろうと思って読みはじめた。「子ども部屋の押韻詩」を意味する「ナーサリー・ライム」というのが通称のようで、だったらその表現で統一してもらいたいものだ。日本ではアメリカ経由の「マザーグー…
「ゲーム、ネット依存」が薬物依存に等しい危険性を有しているということを脳内現象に即して説明し、自身のものを含む臨床結果と豊富な統計によって裏づけるというのが前半の展開。あまりにもスッキリしているのが逆に腑に落ちないところだ。統計が恣意的に…
たしかSFマガジンの書評で絶賛されていたので読んでみたのだが、どれもこれも今ひとつ詰めが足らないという印象。焦燥感を駆り立て恐怖を盛りあげるテクニックがあるというのはわかる。「七階」などはそのテクニックが遺憾なく発揮されていて、主人公が次第…