岩明均『ヒストリエ』第四巻(講談社)

なんと、いつ出るか出るかと待ちわびて、ひょっとして連載は中断しているのかと思っていた『ヒストリエ』の新刊を書店で発見。相変わらずおもしろい。リアリティがある、と言っても、古代ギリシャの実際に即しているかどうかはわからない。自らを文明人と思いこんでいるギリシャ人、異民族を奴隷として扱ってなんら疑問にも思わない心性、その中で生きることの困難さといったものを、ありありと描き出して、現代日本人読者の存在を揺るがすからだ。続きが楽しみな数少ないマンガ。とは言え前巻より1年8ヶ月が経過している。いったい何年描くつもりなんだ。もうちょっとテンポアップしてもらえないものか