『誰も知らない』(是枝 裕和)

DVD。間延びしている。いい話にしようとしすぎている。終盤に出てくる(予告編で耳に馴染んだが、映画ではこの部分しか出てこない)「ちょっといい感じ」を狙った歌にしても。この映画の元になった「実話」では長男が妹を殺しているが、この長男と関わった人たちの印象ではとても優しい男の子だったそうな。母親がいない、頼るものもないという状況で、きょうだいを養っていかなければいけないというプレッシャーとストレスは相当なものだったろう。映画でも妹を殺させれば良かったのではないか。それでもこの長男の「優しさ」を表現することはできたはずだし、長男がどれだけ追いつめられていたかを強烈に印象づけることができたろう。