フランク・ハーバート『デューン 砂漠の異端者』(ハヤカワ文庫SF)

実に久しぶりに読んだデューン・シリーズ。今回はこのシリーズの名物の一人であるベネ・ゲセリットが主役。ダンカン・アイダホのイキのいいゴーラも、砂漠に戻ったかつてのアラキスに現われた、砂虫を操る少女シーアナも、ここでは脇役でしかない。もう一つ、謎の存在であるベネ・トライラックスにもかなりスポットが当てられている。それにしてもお得意の謎めいた書き方のせいで、よく理解できたとは言えない。大離散からの帰還者たちにしても、具体的な描写がされているわけではないし。なにか微妙な出来だなあ。