池田香代子再話C.ダグラス・ラミス対訳『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス)

先の『荒野の宗教 緑の宗教』に対する一つの回答、決意表明とも言えるべきものか。「恵まれています」「裕福です」と挑発的な言辞が並ぶ終盤は先進国の読者を責めているかのような観がある。しかし、そこで後ろめたさを感じたところで、出てくるメッセージが救いとなる。「昔の人は言いました/巡り往くもの、また巡り還る、と」「だからあなたは、/深ぶかと歌ってください/のびやかに踊ってください/心をこめて生きてください/たとえあなたが、傷ついていても/傷ついたことなどないかのように/愛してください」「まずあなたが/愛してください/あなた自身と、人が/この村に生きてある/ということを」「もしもたくさんのわたし・たちが/この村を愛することを知ったなら/まだ間にあいます/人びとを切り裂いている非道な力から/この村を救えます/きっと」