アルフレッド・ベスター『分解された男』(創元推理文庫SF)

文章の密度、迫力、リズム感はすばらしいな。スピーディーな展開で最後まで飽きさせない。希代の悪役であるはずのベン・ライクが直接自分で手を汚すのが、やや違和感。派手な重火器がドンパチする最近のSFアクション映画を見慣れた目には、アクションシーンが迫力に欠けるが、それはいたしかたないか。文句なしに人に勧められるSFのひとつ。