ハンガリアン・フォーク・テイルズ

Aプログラム
ケレシュテス・ドーラによる冒頭の三作「ムーン・フィルム」「マジック」「イチ、ニ、サン」がすばらしかった。人と生き物、植物、家、大地、空と次々と途切れることなく変容し続けて圧巻。アニメーションならではの作品。アニメーションの一つの極致。塗りあらをわざと残した手書きのセル画アニメなので、その労力たるや相当のものだろう。緻密に脚本が練られているに違いないが、まるでその場その場の即興で変容が進むかのような自在さだ。5分、5分、4分と全部で15分ほどの上映時間だったが、無限に円環する時間を感じさせる。エンドレスで流していたい気がする。この人の作品はBプログラムでも4作上映されるので、見なくては。
タイトルとなっている「ハンガリアン・フォーク・テイルズ」は6作品を上映。ハンガリー版の「日本昔話」だが、なかなか楽しい。音楽も良い。