『ベアーズ・キス』(セルゲイ・ボドロフ監督/2002/カナダ・・・)

見損ねていた映画。事故で亡くなった、監督の息子セルゲイ・ボドロフJrが主演。主人公のローラが自分の所属しているサーカスに終始冷めた視線を送っているのが寂しい。実際、この映画で描かれるサーカスにはさほど魅力は感じられない。斜陽産業と言ってしまえばそれまでだが、それにしても寂しい。人間となったミーシャの描写の仕方には不満が残る。こんな普通の男でいいのかいな。北方先住民に伝わる熊と人の結婚が、両者の調和ある交流を促さず、一方に振り切られてしまったというか、単なる逃避に堕してしまった物語。