『関野吉晴対談集 グレートジャーニー1993〜2007』(東海教育研究所)

グレートジャーニーの期間にわたって繰り広げられた数々の対談をまとめたもの。意外な出版社から発行されて、見つけたのも本当に偶然。おなじみの名前もあれば、島田雅彦宮沢和史など意外な名前も混じっている。関野吉晴の姿勢にはブレがないので、逆に言えば新しい発見があるわけではない。ただグレートジャーニーがテレビ局の全面的な協力で行なわれていたと思っていたので、関野氏本人と「グレートジャーニー応援団」が必死で資金をかき集め、意外と成り行きまかせで続けられていたという事実には驚かされた。冒険家とは思えない、肩肘張らない自然体、生活者の目線が関野氏の魅力だ。なにか自分でも、人類が何万年もかけて行なってきたその旅の続きをフラリと続けられそうな気になってしまう。