ワイルドバンチ 特別版

サム・ペキンパーの代表作『ワイルド・バンチ』に未公開シーンを加えたDVD。
大昔に一度観たきりだったが、今回観直してみて、記憶にあるほどおもしろくなかったな。ロートルアウトローたちの悲哀、矜持、男気を感じるべきなのだろうが、いかに意気がっていても、登場人物達がチンケな犯罪者であることに変わりはない。ラストで、敵味方に分かれていた二人が再会し、手を組むシーンにしたって、そこから実りある未来が開けているとは思えない。ケチな盗み、あるいは殺し、強奪を重ねるだけだ。見せ場である大量殺戮シーンにしたって、白人が相手だったらそもそも成立しないものだ。野蛮人であるヒスパニックが相手だからこそ、はじめて描くことができたシーンだ。仲間を助け出しに行く際、売春婦が金を払ってくれと、登場人物の一人に訴えるが、それも支払われた形跡がない。アウトローだからか? つくづくケチな話だ。