竜を駆る種族

ジャック・ヴァンスの1962年作『竜を駆る種族』。再読だが、内容をすっかり忘れていた。いやあ楽しい。映画になったらさぞかし迫力満点だろうとは思うものの、ロマンスの要素に欠けるし、登場人物も共感を呼ぶようには描かれていないし、ストーリーもサービス満点というわけではないので、映画化にはかなりの脚色が必要だろう。
ジャック・ヴァンスの小説を読むことはほかでは得難い快楽だ。傑作『冒険の惑星』シリーズ、傑作『魔王子』シリーズ、傑作『大いなる惑星』・・・どれもこれもおもしろい。翻訳が驚くほど少ないことが悲しい。容易に感情移入できる登場人物のいないことが、ファンの増えない一因だろうか。