『半月」(イラン/2006/114分/監督:バフマン・ゴバディ)

クルド人モチーフの四作目。闘鶏師? マコの景気のいい掛け声とともに快調に、クルド人楽家たちの旅は続くかに見えたが、次々と不都合が発生し、シュールな展開が連続してのち、最後はなし崩しに破局に至る。いささかペシミスティックな気がしないでもない。ここまでするひつようがあるんだろうか? バスの屋根に「落ちて」きた女性はすごい美人。最初にリーダーのマモに話しかけたときは、救い主が現われた、天使だとも感じたが、その美しさにはどことなく不穏さを含んでいた。まあ、そんな女優を参加させ、そんな演出をしたわけだ。悪魔ではないにしても、死への導き手であることは確かだろう。これがなんだったのか、クルドの神話伝承に由来があるのかどうかは知りたかったな。