セルゲイ・パラジャーノフ「ざくろの色」(アルメニア/1971年/1時間13分)

吉祥寺バウス・シアターにて。十数年ぶりに観た。二度目。三百人劇場で先に観た「火の馬」が、かつての記憶と違って色あせて見えたので心配したが杞憂だった。この作品の魅力は今なお健在。もちろん何度かコクリコクリしたけれど。印象的なシーンはほとんど頭に残っていた。修道院の屋根ではためく書物。狩りの前に催される変な寸劇。土建職人?に「死ね」と言われて、音楽とともにポーズをとって崩れ落ちるサヤト・ノヴァ。意味のわかるもののほうが少ないが、目を奪われる色彩と風物、俳優たちの真摯な演技、ていねいな演出で見飽きることがない。