やっぱり古本屋はたまにのぞいてみるもんだなあ

高円寺のオリンピックの裏の倉庫じみたところでときどき開かれている、古本屋の合同開催による古本市。以前にのぞいたときにも絶版の岩波文庫、『シベリア民話集』などを安く入手できたが、今回もざっと眺めただけで、やはり絶版の『消えた平原ベーリンジア』『ジプシー生活誌』『トナカイに乗った狩人たち』を手に入れることができた。しかも全部で八百円! 
『消えた平原ベーリンジア』(吉崎昌一乳井洋一著/NHKブックス)は、現在のベーリング海のところにかつてあり、ユーラシア大陸アメリカ大陸をつないでいた広大な平原についての考察で、ぼくの知るかぎりほかに類書がない。『ジプシー生活誌』(小野寺誠NHKブックス)は以前図書館から借りて読んだことがあるが、北欧フィンランドのジプシー(というか「ロマ」というか)についての興味深いノンフィクションで、スペインあるいはバルカン半島のロマについての本が数ある中で、大変珍しい本だ。珍しいだけでなく、内容も充実していて、読みごたえ十分。『トナカイに乗った狩人たち』(トゥゴルコフ/刀水書房)はかつて「ツングース」と呼ばれていた、シベリアの先住民族エヴェンキについての解説書で、ずっと読みたかった本だ。
読まなければ。
読まないと本はどんどんたまる一方なのだから。
たまりたまって読む気が失せて捨ててしまうことにもなりかねないのだから。