ペット

鬼才・三宅乱丈がスピリッツに連載していた長編マンガだが、スピリッツはしばらく手にしていないわたしはこんなマンガがあることを全然知らなかった。中野まんだらけにブラリ立ちよってなにげに本棚を眺めていたら、この『ペット』の1〜3巻がおいてあったので迷わず買った。
スゴイ。前々から(モーニングの『ぶっせん』連載時から)スゴイ人だとは思っていたが、ここまでスゴイ人だとは思わなかった。感情描写、表現力、人物造形の妙はこれまでの作品からも伺えたが、この『ペット』には緻密な構成力、綿密な想像力が備わっている。息つぐ間もなくテンポよく濃密に物語は進み、三巻目を読んだあとにはもう続きを買いに本屋に走っていた。四巻五巻で完結だ。この節度ある長さが昨今の長ったらしい、だらだらした、間延びしたマンガを食傷している身にはなんともうれしい。物語は一瞬たりと緊張を緩めず一気にラストになだれこむ。続編を期待させるようなオープンエンドだが、まあ続編はないだろう。
三宅乱丈、最高だ!