ジョン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(角川書店)

ベストセラーをようやく読んだが、いやあおもしろいおもしろい。知的興味をかき立て、たっぷりエンターテインメントしている。ヴァチカンやオプス・デイがものものしく登場した割に、こじんまりとした結末になった感はある。背後に壮大な陰謀が隠されていたわけではなく、知的探求心に突き動かされた富裕な一研究家による単独犯行だったというのは、かなり無理やりじみてはいるが。抑圧された女性の立場の回復という主題の追求という面ではあまりにも物足りないが、それはこの謎解き小説の主眼ではないのだろう。
タネ本の一つである『レンヌ=ル=シャルトーの謎』を古本屋で見つけてわずか500円で購入(定価は本体4800円だ!)。本文五百ページ弱。読み甲斐がありそう。