ジャスミン・デラル『ジプシー・キャラバン」(2006年/アメリカ)atシネ・アミューズ
スペイン、ルーマニア、マケドニア、インドの四ヶ国五バンドの六週間にわたるアメリカ・ツアーを追ったドキュメンタリー。元気だった頃のタラフのニコラエ爺さんを見ることができたのはうれしかった。マケドニアのエスマは以前のCDで見たときよりも一層ふくよかになっていたが、みどころは若い頃のスリムな体で歌い踊る貴重な映像が見れたことだ。これだけ大人数だとスポットが当たり具合に不均衡が生じるのはしょうがない。エスマのど迫力なボーカル、インド人たちのひょうきんさ、フラメンコの様式美といったところはよくとらえていたが、タラフやファンファーレ・チォカリーア(「ファンファーラ・チョクルリーア」と表記。こっちの発音のほうが近いのか?)のパフォーマンスのすごさはまるで伝わらなかった。しかし楽しい。本当に楽しんで音楽をやっている。